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探偵と西村京太郎氏の推理小説

私はどちらかと言えば、探偵小説というより推理小説、もしくはミステリーと呼ばれる類の小説が好きでした。
小さい頃は有名推理小説作家の西村京太郎氏の推理小説をよく読んでみたものです。
西村京太郎氏と言えば、電車を使用したトリックを盛り込んだ「十津川警部シリーズ」がよく知られていますよね。
三橋達也さん演じる十津川警部と愛川欽也さん演じる亀井刑事による2時間ものサスペンスもよく見ていました。

ところで、昔読んだ西村京太郎氏の小説を近年になって読み返してみたところ、ちょっと面白いことに気付きました。
西村京太郎氏の小説は、主役は十津川警部を始めとした刑事の場合が多いですが、 実は登場人物の一人として「探偵」が登場する機会がけっこう多いのです。
それも一般的な探偵小説の探偵というより、実際に職業としている探偵です。

探偵がどのようなシチュエーションで登場するかというと、ストーリーの中で殺人の被害者になっていることが多いです。
つまり、殺される役として探偵が登場しているわけですが、 なぜかというと、その探偵が調査を行う中でストーリーの重要人物(主に真犯人もしくは真犯人側の人物)の弱みを握る写真等を入手し、 それをネタに恐喝を行ったために殺されるのです。
ちなみに、殺された探偵の設定として、普段は浮気調査や素行調査を行う個人事務所の探偵であるというのも定番です。

小さい頃に読んだときはあまり理解も意識もせずに読んでいたため覚えていませんでしたが、 改めて読み返してみると、探偵に対してひどい扱いだな、と思わなくはありません。
西村氏の小説を読んだ人は、探偵という職業に対しておそらく良い印象は持たないでしょうね。

確かに、依頼者や対象者を恐喝する等、悪事を働くことを目的とした探偵はどこかに存在しているでしょう。
探偵という職業が、やろうと思えば実際にそれをすることもできる職業だからです。(探偵だけではありませんが)

但し、真っ当な探偵なら恐喝などもちろん行いませんし、多くの探偵はそんなことはしていないはずです。
そもそも依頼者と信頼関係を築き、依頼者に報告するために調査を行っていなければ、 探偵事務所を継続して経営していくことはできません。

探偵がこのような扱いになっているのは、 そもそも西村氏自身が探偵にあまり良い印象を持っていなかったのか、 それともそれが一般的な探偵の認識だったのか・・・。

ただ、西村氏が小説家としては当時から、 浮気調査や素行調査など「探偵」という職業に関して比較的正しい認識で小説に登場させていた点は事実でしょうね。

まあ、中には「元探偵」が小説の主人公となって事件を解決する、 いわゆる王道の「主人公による探偵ごっこ」の小説もあるので、 どちらかと言えば、西村氏にとって探偵は単に「小説のストーリーを構成する上で都合のよい存在」であっただけなのかもしれません。

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